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レーザスキャナの精度について

Scanstation P20の場合

Scanstation P20の場合

レーザスキャナをフィールドで使用する場合の精度の考え方についてご説明します。

上図のように、1からスタートし2,3と移動して中央の立方体をスキャンしたと仮定します。(ターゲット及び対象立方体までのスキャナからの距離は50m以内とします。)

3次元レーザースキャナの誤差

1観測点あたりの誤差分布は上図のようになります。対象距離50m以内でのカタログデータではターゲット測定精度2oの標準偏差と座標測定精度3oの標準偏差となっていますので、それぞれに図のような誤差を考えます。

精度について補足すると、精度は観測値のばらつきの度合いを示し、1σの標準偏差とは観測数の68.3%の観測点の分布状況を示します。

3次元レーザースキャナのノイズ

レーザスキャナにおける通常の観測設定では、同一点を8回以上測定し、ノイズ低減処理後1データとして記録するので、高確率で偏差内のデータを取得しています。
 次に、機器の正確度について説明します。

精度が測定値のばらつきを表す尺度であるのに対し、測定値の真値に対する尺度を正確度といいます。具体的には基準値を設け、基準値との比較検定により判定します。  基準値は国際標準との繋がりを持つことが大前提であるので、国土地理院登録の比較基線場を使用します。

比較検定は測量機器検定に準拠して年1回実施するものとし、公正を保つために検定機関である公益社団法人日本測量協会に依頼して検定を行っています。

当社のスキャナ(SS P20 No1840285)の2016年度における検定は、2月18日に実施し、基準値との差は0〜2oの判定結果を得ており、正確度は0〜2oであると言うことができます。

3次元レーザースキャナの差

以上を踏まえてレーザスキャンの合成状況を考察すると下図のようになります。  スキャンそれぞれが後方交会法による独立した観測であるため、ターゲット間では2o以内の正確度と2o以内のばらつき精度を持って観測を行っています。

同一機種を使用した場合、同一の尺で測定されるため各観測間では、ばらつき精度のみが影響することになります。 つまり、正確度が十分で、各観測間の合成精度が高ければ、得られた空間図形は正確で精度の高いものであるということができます。(予め基準点が設けられている場合は、正確度も影響しますが、基準点の精度に依存して合成精度が決まります。)

下図は、合成のイメージで、各ターゲットの標定時のばらつきを2oの偏差としています。 赤・青・緑の実線矢印は各スキャンの観測時のターゲットスキャンを示し、破線は相関関係にある重複辺を表します。 この図イメージのように、各観測間はそれぞれ独立しており、処理ではそれぞれで得られた空間図形(点群)をターゲットの2oの偏差内で結合するように合成を試みます。

一方、立方体表面においては、合成誤差と測定誤差が複合的に生じることになります。 いま仮に合成精度が2oであったとすると、立方体の点群はそれぞれの面が個別に測定されているため、ターゲットの相関関係において2o以内を確保できる位置に配置され、その表面精度は3oということになります。 (立方体全体の精度は3o±2o)

3次元レーザースキャナの偏差

次にレーザーの特質上の誤差要因をご説明します。 一般的にレーザスキャナから照射されるレーザー光線はある程度の幅を持っています。 光の性質から距離が遠くになるにつれ拡散して広がって行きます。

当社のスキャナの場合では、50m地点で3oのスポット径、100m地点では6oとなります。 また、レーザーの照射対象物に対する入射角が小さくなるとスポット径は大きくなり、スポット径が大きくなると測定ノイズが増える傾向にあります。

 

3次元レーザースキャナのスポット径